子供の目のクマの原因1:甲状腺
甲状腺疾患が多く見つかるのは成人女性ですが、子供にも生まれつき甲状腺疾患が見つかることがあります。その中でもクマの原因となるのはバセドウ病の場合になります。バセドウ病ではバセドウ眼症という眼球及びその周囲の眼窩脂肪が炎症により拡大する変化を生じることがあり、その副次的な変化として目の下のクマが出現することがあります。その場合まずは原疾患であるバセドウ病の治療を行うことでバセドウ眼症の改善を行うことをおすすめします。
子供の目のクマの原因2:貧血
目の下の青く見える、青クマの原因は、皮下の筋肉が透けて見えることにあります。通常筋肉は透けてみると青く見えるものですが、貧血状態になると筋肉は青紫に透けて見えるようになるため、青クマになります。貧血の際に口唇が青紫になるのと同じ状態です。一時的なものではなく生まれつき継続的に青く見える場合には鉄分の摂取不足などが疑われるため食生活の改善や鉄が不足する疾患を疑わなくてはなりません。
子供の目のクマの原因3:アレルギー
目の下が黒くなる原因の一つが茶クマです。これは皮膚にメラニンが沈着することで生じますが、メラニン沈着の原因として上げられるのがアトピー性皮膚炎などの生まれつきのアレルギー疾患により目の周囲に痒みが生じて、擦ることで皮膚の炎症がより増してしまうことです。このような茶クマの予防には、痒みを解消してあげる必要があるため皮膚科医による治療は不可欠と言えます。
子供の目のクマの原因4:むくみ
ゲームやスマホなどをじっと見続けることで目の周囲の筋肉の動きが少なくなると、目の周囲の筋肉の緊張状態が続き、クマが生じることがあります。これは目の周囲にむくみが生じることでできるクマです。この場合、まずは目の周囲の筋肉を動かして、むくみの解消を行うのがいいでしょう。近くばかり見るのではなく、遠くを見るようにするなど、目をリラックスさせることが重要になります。
子供の目のクマの原因5:まばたき筋の衰え
目の周りの筋肉が凝り固まると、まばたき筋の一種である眼輪筋が衰え、結果的に目のクマにつながることがあります。まばたき筋の衰えというと中高年に起こる現象のように思われがちですが、最近では10代・20代の若者にも見られるようになりました。まばたき筋や眼輪筋の衰えの原因としては、下記のような生活習慣があげられます。
- ・無表情
- ・テレビやスマホなど一ヵ所ばかりを見ている
- ・睡眠時間が十分に取れていない
次に、まばたき筋と眼輪筋を簡単に鍛えることができるトレーニング方法をご紹介します。あまり負担にならないように1日に1~2回程度にして、慣れてきたらトレーニング中に黒目を八の字に動かしてみると、より効果が期待できます。
- 1.両手でおでこを抑えながら両目を大きく開く
- 2.大きく開いた状態を3秒間キープする
- 3.あいうえおの「お」の口で鼻の下を伸ばす
- 4.目線を上げて鼻の下と目の筋肉の伸びを感じた状態で5秒間キープ
正面を向いて、目を大きく開いた状態を5秒間キープする
この他にも早寝早起きを心がける、新しい環境で感情に刺激を受ける、顔の表情を豊かにする、などを意識して行っていくことで、子供の目の下のクマ改善が期待できます。
最後に
子供クマの原因のほとんどは骨格の形に由来するものです。成長とともに変化することもあれば、成長しても変わらないこともあります。まずは治療は検討せずに成長によってどう変わっていくかを見ていくのが良いと考えています。またもし治療を考える場合には骨格に大きな変化が出なくなる16歳以降までは待つ必要があります。