1:ニキビができる
毛穴の中にある皮脂腺から作られる皮脂が毛穴の中に溜まり、ここにアクネ菌などが感染することで炎症性のニキビが生まれます。
2:瘢痕組織が生まれる
アクネ菌と自分自身の免疫細胞が戦った結果、細胞の死骸(膿み)が生まれます。その過程で生じる炎症のダメージが真皮の壁に当たると、その壁を突貫工事で埋め合わせようとして、異常なコラーゲンが大量に作られます。
この大量発生したコラーゲンは瘢痕(はんこん)組織と呼ばれ、ニキビ跡の原因となります。手術痕や傷痕のように異常に腫れた皮膚をイメージしてみてください。これらも瘢痕組織によって生まれる症状です。
3:瘢痕組織が広がり、陥没した凹みになる
できてしまった瘢痕組織は、炎症の程度により、毛穴の形を残したままその周囲に瘢痕が広がる場合と、毛穴の形が失われて大きな皮内瘢痕を形成する場合があります。前者は毛穴が開いたようなタイプのニキビ跡に、後者の場合は凹んだニキビ跡に、さらに脂肪層まで瘢痕化した場合には大きなニキビ跡になってしまいます。
ニキビ跡ができる人の特徴
・ニキビが炎症を起こしやすく、大きな赤ニキビが形成されやすい人
・皮膚のコラーゲン産生能力が高く、皮膚に厚みがあり、ケロイド化しやすい人
皮膚に厚みのある方はニキビ跡が大きくなりやすく、逆に皮膚が薄い方はニキビができにくい傾向にあります。 当院のニキビ跡治療は、頬にレーザーを照射する場合でも、上部と下部、ニキビ跡の種類によって設定やレーザーの組み合わせを変えています。適切な組み合わせを見極め、オーダーメイドで治療を行っています。
「レーザー照射さえすれば治る。」は正しくありません
レーザー治療を受けたが効果がなかった。という場合、「レーザーを照射する深さ」に問題があった可能性があります。ニキビ跡の原因である瘢痕(はんこん)組織にレーザーを届けるには、機器の設定を細かく調整しつつ、安全に治療を行う技術と経験が必要です。
また「肌の再生能力」にも意識が必要です。レーザー照射のみではなく、肌の再生メカニズムがうまく働くよう、正常な皮膚再生を促すことが大切です。
なぜ、ニキビ跡治療は時間がかかるのか?
レーザーを用いた治療では、1回の治療あたり、肌の20%の密度までしか安全に施術を行うことができません。そのため、5回ほど治療に通う必要があります。
また、レーザー照射後は肌が再生していく時間を確保する必要がありますので、2度目の治療までは2~3ヵ月ほどあけていただくようにお願いをしております。
このように、ニキビ跡治療は改善するまでにどうしても時間がかかります。長期間に及ぶ治療であるからこそ、治療の時間を無駄にしないために、治療法の選択は重要になります。
ニキビ跡がクレータータイプや、複数のタイプが混ざった方にはサイトンヘイローがおすすめです。